毎年暑くなると気をつけなくてはいけない「熱中症」。2020年6~9月に熱中症で救急搬送された人数は約6万5千人でした(消防庁)。
搬送者が急増する7月後半に入る前に、今一度熱中症について確認しておきましょう!
熱中症とは
温度や湿度が高い中で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温の調整機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、体のだるさやけいれん、意識の異常など、様々な障害を起こす症状のことです。小さい子供は、背が低く地面からの熱を受けやすいので特に気をつけましょう。
家の中でじっとしていても、室温、湿度が高いと熱中症になる恐れがあります!
新しい熱中症「マスク熱中症」とは
マスクをすることで皮膚からの熱が逃げにくく、気づかないうちに脱水になるなど体温調整がしづらくなり、熱中症を引き起こします。
症状は大きく3段階
①軽症
めまい、立ちくらみ、こむら返り、手足のしびれ
【対策】
すぐに涼しい場所に移動する
②中軽症
頭痛、吐き気・嘔吐、体がだるい
【対策】
安静にして、冷やした水分・塩分補給
衣類をゆるめて保冷剤などで冷やす
✔この症状の時に注意すること
脳卒中との識別が大切です。判断を間違えると大変なことに!
<簡単な識別方法>
目をつぶった状態で両手を肩の高さに上げてもらいます
⇒両手が同じ高さのまま・・・熱中症
⇒片手が下がる・・・脳卒中の可能性大
もし、近くに熱中症かなと思う方がいたら、確認することをおすすめします。
③重症
意識障害(受け答えや会話がおかしい)、けいれん、運動障害(歩けないなど)、体が熱い
【対策】
すぐに救急車を呼ぶ
高齢者や糖尿病などの持病を持った方が、いきなり重症化するケースが増えています。
『朝食』がキーワード
十分に対策を講じていれば問題ないですが、「朝食抜き」の人が熱中症になりやすいそうです。朝食を抜くと、目覚めない、元気が出ないといいますが、朝食をしっかり摂ることは熱中症対策にもなるんですね。
熱中症は気温だけでなく、湿度や気圧も影響します。”暑さ指数”をチェックすることもオススメです。
▼暑さ指数はこちらで確認できます
環境省 熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php
【今回お話を伺ったのは】
鶴田光敏先生
スジャータめいらくグループ 産業医
つるた医院 院長
日本小児科医専門医 日本アレルギー学会専門医 日本東洋医学会専門医・指導医